第二種電気工事士の試験の申し込みが、3月に始まりました。
第二種電気工事士の資格取得を目指す方向けに、合格までの流れをまとめます。
具体的な流れをイメージして、受験するかしないか判断して頂ければと思います。
筆者は、2020年度の第二種電気工事士の試験に合格しています。
物理が苦手で、計算問題も全然解けない状態でのスタートでした。
隙間時間や休日を使って、きちんと勉強すれば一発で合格できます。
合格までのイメージができるように、流れを書いてみたので参考にしてください。
合格までの勉強方法や、勉強時間なども紹介します。
難易度について
第二種電気工事士の試験は、筆記試験と技能試験に分かれています。
また、試験は年2回行われていて、上期、下期にそれぞれ筆記試験・技能試験があります。
2020年の受験者の合格率は、筆記試験、技能試験ともに60%以上でした。
受験費用について
第二種電気工事士の資格を取得するには、意外とお金がかかります。
内訳は、以下の通りです。
- 受験費用 9600円(インターネット申し込み9300円)
- 参考書代 2000円くらい
- 工具代 約1万円~
- 練習用電線など 約2万円~
参考書は、中古や人から譲ってもらえば安くなります。
ただし、古すぎるものはおすすめしません。
工具は、セットを購入すれば1万円くらいで揃えられます。
こだわって良いものを揃える場合は、もっとかかります。
最低限のものだけ揃える場合は、もう少し安くなります。
最後の練習用の電線は、技能試験の練習に使うものです。
練習なしで臨むというのは、初心者には無謀だと思います。
1回分なら1万8千円くらい(約2万円)でしょうか。
2回分、3回分となると2倍、3倍の値段になります。
合格する為に必要なこと第二種電気工事士
電気工事士に合格するのに必要なことは、時間をつくることだと思っています。
2020年の試験を受けて感じたことです。
筆記試験は、暗記する部分を暗記すれば合格できます。
難しい計算などは解けなくて大丈夫です。
暗記にはそれなりに時間がかかるので、覚えるまでの時間をしっかりととる必要があります。
暗記の内容自体は、暗記しやすいほうだと思います。
コンセントや電線、蛍光灯のように身近なものが出てくるからです。
コンセントの種類を覚えるにしても、店や自宅で探してみると見つけられます。
「これが2口コンセントなのか!」「これは接地付きコンセントか!」と新たな発見があるはずです。
勉強が苦手でも、比較的楽しく暗記できると思います。
技能試験は、とにかく練習あるのみです。
本番で40分以内に施工できるように、ひたすら練習しましょう。
練習を繰り返すうちに、施工の仕方を覚えていきます。
簡単に聞こえるかもしれませんが、練習時間の確保が意外と難しいです。
始めのうちは、施工に2時間かかっていました。
電工ナイフで電線を剥くのが遅かったのも、時間がかかった原因です。
準備や答え合わせも含めると、3時間くらいかかります。
休日に1問解くのが精一杯でした。
施工内容は、電線を定められた長さに切って、電線の被覆を剥いて、コンセントなどの器具にさして、電線をリングスリーブでまとめて、完成という繰り返しです。
かなり簡単に説明しましたが、ようは同じような作業の繰り返しだということです。
13問の候補問題を半分くらい解けば、基本的な施工の方法は分かるようになります。
13問解き終わるころには、何も見なくても8割くらいは施工できるようになります。
記憶力に自信のない方は、もう少し覚えるのに時間はかかるかもしれません。
ただ、筆記試験の暗記よりは、記憶することがはるかに楽なはずです。
筆記試験も技能試験も、時間をとれば合格できます。
頑張って時間をつくりましょう!
勉強方法については、他の記事で紹介します。
合格までの流れ
第二種電気工事士の試験に合格するまでの流れは、以下のようになります。
2023年度(令和5年)の具体的な日付も載せておくので、参考にしてください。
- 筆記試験の申し込み(上期3月20日〜4月6日17時 下期8月21日~9月7日17時)
- 筆記試験の勉強
- 筆記試験と自己採点(上期5月28日 下期10月29日)
- 技能試験の準備
- 技能試験の練習
- 筆記試験の合格発表
- 技能試験(上期7月22日または23日 下期12月23日または24日)
- 技能試験の合格発表
ステップ①申し込み
独学で勉強するときに、意外と重要なのが申し込み方法です。
受験の申請が複雑だったり、必要書類が多いと時間がかかります。
申し込み期限が過ぎてしまった、ということのないよう早めに準備しましょう。
申し込みの期限は、上期が2023年4月6日、下期が2023年9月7日です。
郵送で申請も可能ですが、インターネットでの申し込みが推奨されています。
電気技術者試験センターのリンクを載せておきます。
インターネット申し込みは、上記リンクから申し込むこととなります。
筆記試験の内容は?
筆記試験は50問100点満点の試験です。
どの問題も1問2点なので、30問正解すれば合格ラインの60点です。
合格点の60点は調整される可能性があるので、目安にしてください。
申し込みをしてから勉強を始めて、2ヶ月ほどで筆記試験です。
2020年度は、コロナの影響で上期試験が延期されました。
勉強できる時間が延びたのですが、結局、試験が近くなるまで本腰が入りません。
下期を目指すよりも、短期集中で上期の試験を受けることをおすすめします。
筆記試験の勉強時間は、2〜3ヶ月を目安にしましょう。
試験内容は、一般問題と配線図に分かれています。
一般問題は、回路中の電圧の計算や、配線に使う機器の使い方、名称などを答える問題です。
配線図は、実際の配線図を見ながら、図記号が示すものや使うべき器具を答える問題です。
解答は、4つの選択肢から1つ選びます。
2020年の筆記試験では、配線に使う器具の名称、使い方、役割、図記号などを問う問題が20問ほどでした。
電気工事に使うものの特徴さえ覚えれば、40点分稼げるという事です。
他に、計算問題が10問弱、使うリングスリーブの大きさなどの配線方法を問う問題が5問ほど出題されています。
残り10問ほどは、規定や接地方法などの知識を問う問題でした。
器具の名称を問う問題が大部分を占めていて、かつ解きやすい問題なので得点源になります。
写真を見て、名称、図記号、役割が分かる状態を目指しましょう。
ステップ②筆記試験の勉強方法
筆記試験は、参考書1冊とネットがあれば合格できました。
独学用のサイトや動画があるので、ネット上で勉強しつつ参考書で分からないところを調べるのがおすすめです。
参考書だけで挫折してしまったという方は、ネットの併用も考えてみてください。
独学用のサイトでは、画像や余白が多めで勉強がしやすいです。
また、隙間時間に勉強できるのも大きいですね。
参考書は持ち歩くと重いですし、周りの目が気になって集中できない場合があります。
配線図関係の器具の名称や使い方を完璧に覚えましょう。
残りの時間で、計算問題や規定について勉強します。
試験が近くなったら、いくつか過去問を解いてみましょう。
過去問は公開されているので、わざわざ購入する必要はありません。
計算は理解すれば解けるので、理系の方は得点源にしても良いかと思います。
規定は覚えれば解けるので、要点をまとめて試験前に確認するのが良いと思います。
詳しい勉強方法は、別の記事にまとめました。
ステップ③筆記試験と自己採点
上期筆記試験は、2023年5月28日です。
試験時間は、2時間あるので落ち着いて解きましょう。
50問しかないので、はやい人は1時間もあれば終わると思います。
途中退出もできるので、2時間座っている必要はありませんでした。
筆記試験の問題は、持ち帰ることができます。
解答をメモして持ち帰りましょう。
電気技術者試験センターのホームページで正解が発表されるので、自己採点をしましょう。
自己採点をして受かっていれば、技能試験の準備を始めるという流れになります。
ステップ④技能試験の準備(工具、練習用電線の準備)
技能試験には、工具が必要です。
プラス・マイナスのドライバー、ペンチ、ウォーターポンププライヤ―、リングスリーブ用の圧着工具、電工ナイフ、ものさしを用意しましょう。
他の工具で代用できるもの、使わない物もありますが、基本はこの7つを持参することになります。
追加で、電線の被覆を剥くためのストリッパーがあると便利です。
また、技能試験の練習用に、電線や器具のセットを購入する必要があります。
技能試験では、配線図を見て複線図を描き、実際に施工することになります。
電線の被覆を剥いたり、コンセントに電線をつなげるなどの作業は、練習しなければなりません。
そのために、電線セットと器具セットを用意しましょう。
こんな感じのセットです。
準備万端シリーズ 令和5年度版 第二種電気工事士 技能試験練習材料セット(2回練習分)「2種参考書・実技動画解説・オンラインセミナー・質問サービス・電工部材はずしキー・消耗品セットなどが付属」(2023年度版)これは2回分のセットです。
第二種、器具・電線セット、2023年のものを購入しましょう。
電線と器具がセットになった商品は、1回分が2万円弱くらいで購入できます。
電線のみ、器具のみの商品もあるので、1万5千円より安いものは、セットになっているかきちんと確認してください。
バラで購入して最低限のものだけを揃える方もいますが、初心者にはハードルが高いと思います。
試験に落ちてしまっては、受験料1万円弱が無駄になるわけですから、きちんとそろえる方が良いと思います。
技能試験の内容は?
上期技能試験は、2023年7月22日または23日です。
2日指定されると、混乱しますね。
試験会場によって試験日が決まっています。
受験票が送られてくると、そこに受験日が書いてあります。
13問の候補問題から、1問のみ出題されます。
40分間で、施工して欠陥が無ければ合格です。
候補問題は、1月中に電気技術者試験センターのホームページで紹介されています。
筆記試験の前に練習することも可能ですが、筆記試験が終わってから勉強することをお勧めします。
まずは、筆記試験に集中しましょう。
筆記試験で覚えた複線図の書き方、図記号などが技能試験で生きてきます。
ステップ⑤技能試験の勉強方法
技能試験は、動画を見ながらひたすら問題を解くのがおすすめです。
練習すれば、自然と複線図の書き方や器具の使い方を覚えていきます。
実践あるのみですね。
始めは2時間以上かかっていても、試験本番には30分で施工できるようになります。
おすすめの練習の手順を以下に載せておきます。
- 電線や器具の準備(30分)
- 動画で複線図の書き方を確認(15分)
- 自分で複線図を書く(15分)
- 動画で解き方を確認(30分)
- 自分で解く(2時間)
- 動画で正しい解き方を確認(30分)
初心者の方には、解き方が全く分からないと思うので、無理せず動画で答えを見てしまいましょう。
動画で理解したつもりでも、施工してみると意外と難しいはずです。
試験当日は、複線図を自分で書かなければならないので、練習セットについてくる複線図を見ながらの施工はおすすめしません。
自分で描いた複線図を見て、施工しましょう。
複線図を書く時間も含め30分で施工することを目指しましょう。
とはいっても、始めはとにかく時間がかかります。
解くのに2時間もかかるのか、と驚く方もいると思います。
ストリッパーを持っていればだいぶ短縮できるはずです。
それでも、のの字曲げがうまくできなかったり、電線の長さを間違えたり、と意外と時間がかかります。
解き方が分かってきたら、苦手な作業ばかりを繰り返して作業スピードを上げましょう。
ステップ⑥技能試験
上期技能試験は、2023年7月22日または23日です。
- 試験の説明
- 材料の確認
- 試験40分
という流れです。
電線の追加支給は無いので、材料の確認はしっかりしましょう。
ステップ⑦合格発表と免許取得
合格発表は、8月頃です。
合格したら、免許を申請します。
必要書類は、申請書、合格通知、住民票、証明写真などです。
他にも、郵送の場合は返送用封筒が必要です。
手数料も5300円必要です。
住民登録の場所によって、申請先が異なるので少し難しいですね。
免状が交付されたら、更新や定期講習は無いので、長く使える資格となります。
ただし、業務に就く際は届出が必要だったり、記載事項が変わった場合は免状の書き換えが必要になります。
まとめ
第二種電気工事士の試験に合格したので、合格までの流れを紹介しました。
どんな資格なのか、自分にもできるのか、イメージできましたか?
受験費用も安くはなく、工具や練習用の電線も必要です。
安くはない資格なので、受験するなら合格したいですよね。
きちんと勉強すれば難しい資格ではないので、ぜひ受験してみてください。
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