第二種電気工事士の試験の申し込みが始まりした。
2020年度の試験に合格したので、勉強方法や勉強時間をご紹介します。
電気工事士の資格に興味のある方だけでなく、1度試験に落ちてしまった方にも、おすすめの勉強方法を載せています。
筆者は、電気関係の計算や器具の名前など、全然知らない状態で勉強を始めています。
このように、過去問を解いてみて意味が分からなかった人でも1発合格は可能なので、頑張って勉強しましょう!
第二種電気工事士の試験について知りたい方は、下記記事も書いていますので、確認してみてください。
合格できるのか?難易度は?
始めに、難易度を確認しておきましょう。
受験して合格する人の割合は、60%以上です。
第二種電気工事士は、高校生の受験が多い資格です。
学校でしっかりと勉強して受ける人が多いので、合格率は高めなかもしれません。
過去問や候補問題が公開されているのも、有り難いですね。
第二種電気工事士の資格は、2つの試験があります。
4択の筆記試験と実技の技能試験です。
この2つの試験に、上期と下期の2つの日程が用意されています。
上期は、5月末の筆記試験と7月中旬の技能試験に合格する必要があります。
下期は、筆記試験が10月末、技能試験が12月中旬です。
上期の筆記試験で合格、技能試験で不合格の場合、下期の筆記試験が免除されます。
筆記試験と技能試験の間の期間が、2か月ほどあるので、筆記試験が終わってから技能試験の勉強を始めても間に合います。
まずは、筆記試験に集中しましょう。
第二種電気工事士試験の合格に向けて!2021年 筆記試験の勉強方法
合格できるかの判断には、試験の内容を確認する必要があります。
筆記試験の過去問は公開されているので、確認してみてください。
例題も載せておきます。
多数の金属管が集合する場所等で、通電を容易にするために用いられるものは。
イ.分電盤
ロ.プルボックス
ハ.フィクスチュアスタッド
ニ.スイッチボックス
勉強を進めれば、この問題は簡単に解けるようになります。
技能試験は、13問の候補問題が予め公開されます。
候補問題の中から1問が出題されます。
13問全てを練習して、どの問題が出題されても解けるようにしておけば合格できます。
勉強の苦手な人でも合格することはできると思います。
計算問題の配点は少なく、単純な暗記ができれば合格点は目指せます。
技能試験も、候補問題が公開されている為、練習さえすれば合格できます。
しっかりと勉強する時間をとって、1発合格を目指しましょう!
合格に必要な勉強時間
必要な勉強時間は、得意不得意や勉強の仕方によって変わってきます。
ズバリ何時間と言うことはできませんね。
目安の時間を載せておきます。
結論から言うと、筆記試験は50~65時間、技能試験は20〜35時間です。
勉強時間の内訳を紹介しておきます。
筆記試験は、分野ごとに必要な勉強時間を紹介します。
- 器具の特徴 15~30時間
- 計算問題 10時間
- 配電や電線の選定方法 10時間
- その他(規定など) 2時間
- 配線図 10時間
暗記が苦手な方は、もう少し時間がかかるかもしれません。
筆記試験の勉強時間は、本当に個人差が大きいと思うので参考にする程度に留めてください。
実際に、1時間の勉強で参考書をどの程度進められるかを確認するのが一番です。
交流回路の仕組みなど、理解できないと何日も悩む可能性もあります。
技能試験は、1問1時間半かかるなら19時間必要です。
2回目は、40分ほどで解けるとして、8時間ほどでしょうか。
合計27時間必要な計算ですね。
1回目の施工が、答え合わせも含めて1時間でできるなら、約20時間あれば十分です。
筆者は、1回目はほぼ2時間かかっていたので、35時間くらい勉強した可能性があります。
技能試験の概要
技能試験は、実際に器具を電線で繋いで、配線図通りに施工するというものです。
実際の問題が、公式サイトで公開されています。
「おしらせ」から、1月に公表された候補問題を確認してみてください。
勉強を始める前は、全く分からなくても大丈夫です。
勉強を進めれば、理解できるようになります。
1月に候補問題が13問公開されます。
配線図のみの公開です。
電線の長さなどは、試験当日まで分かりません。
当日の問題を見て、正しく施工しましょう。
施工すると、このようになります。
これは、筆者が適当に作ったものです。
このようなものを作るのが、技能試験です。
初めは何が何だか分からなくても、動画を見て練習するうちにできるようになります。
技能試験の練習は、筆記試験が終わってからでも間に合います。
筆記試験がまだの方は、筆記試験の勉強に集中しましょう。
第二種電気工事士試験の合格に向けて!2021年 筆記試験の勉強方法
技能試験に合格するために
技能試験は、1日1問が無理なく練習できる数だと思います。
1問解くのにかかる時間を目安に、休日しかできないのか、平日もできそうかを考えて必要な勉強時間をだしてみてください。
13問の候補問題を、何も見ずに30分で施工できるようになることを目標にしましょう。
まず、13問の候補問題がありますが、どの問題が出ても解けるようになる必要があります。
試験時間は40分です。
当日、慣れない環境で施工することになるので、いつもよりも時間がかかると考えましょう。
家で30分で施工できるようになれば、当日慌てずに済みます。
30分で施工することを目指しましょう。
技能試験のおすすめの勉強方法
上期の技能試験は7月中旬、下期は12月中旬です。
13問の候補問題から1問が出題されます。
13問全てを解けるようにならなくてはなりません。
筆記試験の自己採点が終わったら、技能試験の準備をしましょう。
おすすめの勉強方法は、ただひとつです。
動画を見ながらの練習をおすすめします。
筆記試験後だと、練習できる期間は2ヶ月もないので、すぐに始めましょう。
技能試験の準備として、必須なのは工具と練習セットです。
必要な工具は、プラス・マイナスドライバー、ペンチ、ものさし、リングスリーブ用圧着工具、電工ナイフ、ウォーターポンププライヤーです。
工具は、セットで販売されているものを買うのがお得です。
おすすめのセットは、下記の記事で紹介しています。
練習セットが届き次第、すぐに練習を始めた方が良いです。
おすすめの練習セットについても、別の記事で紹介しています。
初めのうちは、1問解くのに、2時間くらいかかる可能性もあります。
材料準備や答え合わせも合わせると、さらに時間がかかります。
社会人の方は、仕事が終わってから2時間はキツいですよね。
週2回の休日で練習するとなると、13問全ての練習をするのに7週かかります。
つまり、約2ヶ月です!
筆記試験が終わってすぐに練習を始めても、練習期間は2ヶ月も無いと始めに伝えました。
練習期間はギリギリですね。
もちろん、慣れてくれば30分ほどで解けるようになります。
平日に解いたり、休みの日に2問解いたりもできるようになります。
しかし、始めはとにかく時間が必要です。
焦らないためにも、早めに練習を始めましょう。
具体的な勉強方法をご紹介します。
完全初心者向けの勉強方法です。
①材料の準備(5分)
まず、練習セットについてくる問題集を見て、必要な材料を用意します。
試験当日は、予め必要な電線や器具が支給されます。
必要な材料が机の上に揃っているか、確認してから試験がスタートします。
できるだけ実際の試験と同じ状態で練習する為に、材料の準備から始めましょう。
始めは、指定された器具や電線を集めるのに時間がかかると思います。
VVFとVVRの違いは分かっても、1.6なのか2.0なのか、何芯なのか、と混乱すると思います。
練習セットについてくる写真などと照らし合わせて、準備しましょう。
②複線図の書き方を動画で確認(15分)
材料が用意できたら、配線図から複線図をつくります。
動画を参考にして、複線図の書き方を理解しましょう。
複線図が得意な方は、初めから自分で書いても大丈夫です。
おすすめの動画は、ホーザンのYouTubeチャンネルです。
練習セットに付属しているCDを見るのもアリです。
個人的に、分かりやすいのはホーザンの動画でした。
動画を見れば、複線図の書き方から回路の作り方、最後の点検まで学ぶことができます。
一度、メモを取りながら動画を視聴して、その後自分で解くのがおすすめです。
30分ほどの動画なので、苦にはならないと思います。
複線図の書き方が分かったら、必ず自分で書いてみましょう。
初めは、分からないところが出てきたら、動画で確認して大丈夫です。
動画をチラ見しながら自分で書きましょう。
何も見ないで書かなくては、と思う必要はありません。
13問も候補問題があるのです。
勉強を進めれば、何も見なくても書けるようになります。
それよりも、動画を確認しながらでも自分で書いて、次に進むことが大切です。
自分で書いた複線図をもとに施工できるようになりましょう。
ついでに、メモなどに書いておいた方が早く覚えることをまとめておきます。
- 接地側にコンセントと負荷
- 非接地側にコンセントとスイッチ
- 最後に対応する負荷とスイッチをつなぐ
- 接地側に白線、非接地側に黒線
- 各器具に使用する電線の長さ(ジョイントボックス100ミリ、ランプレセプタクル50ミリなど)
③複線図を見ながら動画視聴(40分)
自分で書いた複線図を用意したら、動画で施工方法を確認します。
初めは、被覆を剥がす長さが分からないと思うので、複線図の脇にメモしておきましょう。
減点対象になる部分の確認箇所なども、メモしておくと良いと思います。
2回目以降に解くとき、1回目の複線図を見直せば注意点を思い出せるようにしておきましょう。
どこまでメモしていいか分からないと思うので、実際に1問目の候補問題のメモポイントを紹介します。
- 芯線被覆とケーブル外装の剥き長さ(ジョイントボックス、引掛シーリング、スイッチ、ランプレセプタクル)
- スイッチの連用取り付け枠の上下、裏表について
- のの字曲げの向き
- ランプレセプタクルの注意点(穴を通す、接地・非接地)
- わたり線は余った電線から
- 最後に末端処理(リングスリーブ)
動画を見ながら、メモを取ってみて、上記のリストと見比べてみてください。
全てメモできている、または理解できている方は、要点を押さえられていると思います。
本番の試験では、被覆を剥がす長さや注意点のメモはありません。
しかし、練習段階でメモしておくことで勝手に覚えていきます。
分からないところはメモして、メモを見ながら施工しましょう。
初めは、メモなしでは施工できないと思います。
少しずつメモが減っていくと思うので、始めはメモだらけでも頑張りましょう。
2問目を解くときにも同じことをメモすると、さらに記憶に残るので良いと思います。
④自分で書いた複線図をもとに施工(1~2時間)
施工方法が分かったところで、ようやく自分で施工します。
まずは、電線の長さを測るところからです。
電線を切断し、被覆を剥いて、器具に取りつけるという流れですね。
電線の被覆を剥がす長さなどは、メモした内容を参考にしましょう。
被覆剥きやのの字曲げなどが難しく、初めは時間がかかると思います。
時間をとれる時に解いてみてください。
⑤最後に動画を1通り確認(30分)
実際に施工が完了したら、動画で1から確認しましょう。
答え合わせの意味もあります。
複線図を書いて、施工して、点検まで見直します。
実際に解いた後で見る動画は、解く前とは違って見えるはずです。
分からないところが少なくなり、落ち着いて見れると思います。
しっかりと確認しましょう。
13問解くころには、要点だけ確認すればいいかと思えるようになってくると思います。
そうなったら、無理に動画を始めから再生する必要はありません。
技能試験の勉強方法まとめ
自分で解くのには、始めは2時間ほどかかると思います。
解いた後、答え合わせとしてもう一度動画を視聴しましょう。
準備や動画視聴に1時間くらいかかるとすれば、合計で3時間半くらいにはなりました。
作業の早い方や、ストリッパーを持っている方はもう少し短い時間で解けるかもしれません。
13問解き終わる頃には、動画に頼らなくても複線図から回路が作れるようになっているはずです。
2周目からは、分からない所だけ動画で確認すれば解けるはずです。
回路で使う器具は、被ることがあります。
ランプレセプタクルやコンセントなどは、よく使います。
よく使う器具の使い方は、練習しているうちに自然と覚えると思います。
結果として、回路の作り方は動画を見なくても何となく分かるようになります。
複線図を自力でつくるのは、少し難易度が上がります。
苦手な方は、2周目でも分からない部分を確認しても良いかと思います。
2周目は、試験の制限時間内に終わらせられるように練習をします。
制限時間は40分なので、30分くらいを目指して練習しましょう。
40分を目標にしてしまうと、当日のプレッシャーや作業環境の違いで40分以上かかってしまう可能性があります。
30分を目指しましょう。
試験が近づく頃には、平日に30分でも1時間でも時間を取れば1問練習できます。
苦手な作業だけをピックアップして、テレビを見ながら練習したりしていました。
ただし、怪我には十分気をつけてくださいね。
まとめ
第二種電気工事士を目指す方向けに、おすすめの勉強方法を紹介しました。
自分にもできそう…と思ったら、さっそく勉強を始めましょう!
まずは、工具と練習セットの用意です。
工具は、こだわりたい方はセットで買わない方が選択肢が広がります。
特にこだわらないという方は、下記記事から好みのセットを探してみてください。
器具と電線はセットを買う方がほとんどだと思います。
おすすめの練習セットについては、別の記事で紹介します。
選ぶときの注意点があるので、購入前に読んでみてください。
ホーザンの動画で勉強する場合、練習セットの材料を他の会社のものにするとにするとホーザンの問題集と異なる可能性があります。
複線図を書いてから、寸法などを購入した練習セットに合わせましょう。
筆記試験の自己採点が終わった方は、すぐに練習を始めましょう!
2か月しかありません。
楽しく練習して、しっかり合格しましょう!
長文、お疲れさまでした。
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